全司法本部活動日記 (Blog)

全司法労働組合のブログへようこそ!

裁判所に採用されたみなさんへ

新しく裁判所に採用されたみなさん、私たち全司法は裁判所職員で作る労働組合です。
私たちはみなさんを心から歓迎します。

さて、職業を持つということは、使用者と労働契約を結んで、そこで決まった労働条件のもとで働くということです。そして、労働条件は常に変わっていきますから、使用者が一方的に決めた労働条件を押しつけられるのではなく、働く者の権利を守り、その意見をきちんと反映する仕組みが必要です。それが労働組合の役割であり、これは民間の職場でも公務の職場でも変わりません。
また、全司法は、自らの労働条件のことだけではなく、「国民のための裁判所」を作ることを目的に活動しています。現場で働く職員の視点から、裁判所が国民のためになる仕事をするには何が必要かを考え、発信していきたいと思っています。
裁判所の職員を代表して意見を述べ、要求し、その実現のために活動する組織、それが私たち全司法です。

民間大企業の労働組合は強制加入になっているところが多いのですが、公務員の労働組合は、本人の加入する意思が示されて初めて組合員となります。
しかし、それはけっして「任意だから、入っても入らなくてもいい」ということではありません。
裁判所は非常に働きやすい職場だと言われていますが、それは、全司法が長年にわたって職員の意見を反映してきた結果です。そして、それは他でもない全司法に加入している全国の組合員が作ってきたものなのです。
ぜひ、みなさんも裁判所に採用され、職員になったのと同時に全司法に加入してください。

さて、これから、みなさんは裁判所の職場で働いていくわけですが、そのために最も必要なものは何だと思いますか?

様々な答えがありうると思いますが、私は「仲間」だと思います。
一緒に仕事をする仲間、指導や助言をしてくれる仲間、職場で楽しく働くための仲間…、私たちは一人で仕事をするわけではありませんから、仲間は非常に大切です。
同期のつながりや、職場でのつながりなど、みなさんにはこれから様々な仲間ができることだと思いますが、全司法に入って、そこで仲間を見つけていただきたいと思います。
年齢も、担当している仕事も、働いている場所も多様な仲間ができることで、あなたの裁判所での生活はよりいっそう豊かなものになると思いますし、何よりも、全司法で知り合った仲間は、あなたが本当に困った時に必ず助けてくれるはずです。そんな仲間がいることは、これから長く仕事を続けるうえで、何よりも心強いものになると思います。
みなさんの加入を、心からお待ちしています。

 

全司法労働組合  中央執行委員長 中矢正晴f:id:zenshiho_blog:20150428135312j:plain

今週末はいよいよ4月

週が明け、今週は3月から4月にまたがる週になりました。

1月の中央委員会以降、全司法本部は全国の地連・支部を訪問させていただき、4月の異動期に向けて、第2次組合員拡大強化月間のとりくみについて意思統一し、地連・支部と議論しながら一緒に計画を立ててきました。

いよいよ、その計画を具体化する時が来ました。

この4月には、全国で291名(3月25日現在の集計)の職員が新たに裁判所に採用されます。採用後すみやかに、新採用のみなさんを職場に迎えたことを歓迎し、あわせて、一人でも多くの方が全司法に加入されるよう全力で働きかけましょう。

同時に、職場では多くの人たちが入れ替わります。どこの職場にどういう人が異動するのか、今のうちにきちんと情報を掴み、この4月の異動期を必ず、組合員を増やし、組織を強化する最大のチャンスだと位置づけてとりくみましょう。

そのためにも、残された数日間で各地連・支部の計画を改めて点検しましょう。

 

そして、すべての組合員のみなさん。

組織強化・拡大は機関役員だけのとりくみでは、けっして成功しません。ぜひ、みなさんの力を貸してください。そして、この春、全司法がみんなの「居場所」を職場に作りましょう。

(中矢)

 

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成年後見制度の利用促進法について

昨日(23日)、朝日新聞が「成年後見制度の利用促進を図る議員立法が今月中に成立し、施行される見通し」と報道しました。

成年後見は事件数の増加や後見人に対する監督事務などの動向もあって、職場からの増員要求がもっとも強い部署になっており、この間、全司法でも人的態勢整備や安定的な後見監督事務のあり方などを要求してきたところです。

今回、法律が成立すると、首相をトップにした利用促進会議が内閣府に設置されるなどの措置がとられ、具体的な検討がすすめられるようですが、報道にあるような「市民後見人の育成と活用による利用促進」だけではなく、現行制度の問題点を総点検し、これに対する対策を立ててもらいたいと考えていますし、全司法としても何らかの発信が必要なのではないかと考えています。

昨年秋に全司法本部が実施した地連書記官担当者会議で、この間、裁判所で実務を行ってきた立場から、指摘できる主な問題点を以下のとおり整理していますので、今後、これをもとに組織的な議論ができればと思っています。

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① 成年後見人による被後見人財産の私物化や横領などの不正行為(犯罪となるものも含む)への対応

② 成年後見人に対する報酬(人材確保を含めた適正な報酬と、被後見人及びその親族の経済的負担のバランスをどう考えるか)

③ 成年後見人の候補者の不足(専門職後見人と親族後見人の棲み分けも含めて。現状、裁判所では事務の効率化と不正防止のために、専門職後見人を選任する運用を押し出す傾向にあるが、国民の立場に立つと、本来、親族が後見人になるのは自然であり、利用促進の観点からも重要である)

④ 後見支援信託制度の利用のしにくさ

とりわけ、裁判所における実務では、成年後見人の不正防止と、そのための監督に相当程度の労力を注いできた。そのあり方については利用促進と表裏の問題点として、ぜひ、検討してもらいたい。なお、職員の中には「後見人選任までは裁判所が行い、一般の監督は自治体等の行政機関に委ね、問題がある場合に裁判所が関与する仕組みにはできないか」との声がある。

また、利用促進という視点からは、特定の契約のための一時的な成年後見人の選任の可否、成年後見にかかる費用(後見人報酬、後見支援信託制度を活用した場合の費用など)の低額化も、検討が必要ではないか。

なお、全司法に対する提言・アドバイスをいただいた成年後見人経験者の弁護士、司法書士からは、地方自治体の態勢強化が重要との指摘を受けている。

(中矢)

headlines.yahoo.co.jp

全司法大運動の旅 in 東京

青年協議長の山本です。
3月18日(金)は、最高裁支部の小島書記長とともに、都内あちこちの団体に、「裁判所の人的・物的充実を求める国会請願」署名の協力要請に行ってきました。
新宿区から豊島区、文京区から豊島区に戻って江東区中央区を経て、最後は千代田区へと巡り、全建総連や自治労連をはじめ、10団体に署名を要請してきました。
春闘交渉の回答を受け、72時間前争議予告通知書の準備をしているなど、ストライキの実施に向けてお忙しい団体もある中、みなさん心良く引き受けてくださいました。
「裁判所が果たしている役割は非常に重要なものだと思っている。なぜ、人員を減らすのかわからない。」「最高裁に署名を提出したことがある。判断のひとつひとつに市民の切実な生活がかかっている。」など、司法(裁判所)に対する意見や想いも聞かせていただき、自分たちがどのように見られているのか、その一端を感じることができたように思います。普段できない経験をすることができました。

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日本医労連に協力要請する小島最高裁支部書記長

一日歩き回ったのにも関わらず、その晩から宮城県にボランティアに向かう小島書記長に驚嘆・脱帽して、その日の旅を終えました。

訃報 ~ 先輩たちの思いを受け継いで

裁退連(裁判所退職者の会全国連合会)会長の石山光信さんが2月20日、ご逝去されました。

「3・18見解」が出される前の、全司法と最高裁との労使関係が厳しかった時代、石山さんは1958年に「裁判書闘争」の中で免職され、全司法の運動で職場復帰を勝ち取られました。私たちの今の職場は、こうした先輩方のたたかいと努力の結果、できあがったものです。そうした先輩たちの思いを受け継いで、全司法の組織と運動を継承・発展させていきたいと心新たにしました。
石山さんが、2014年の定期大会で来賓あいさつされた内容をここに掲載して、慎んでご冥福をお祈りしたいと思います。

「今、公務員に対する攻撃は、恒久的な賃下げを狙う「給与制度の総合的見直し」をはじめ、退職金や人員の抑制、労務管理の一方的締め付けなど大変厳しいものがあります。
この国の今の状況は、戦前回帰を望む安倍政権と国民との間の矛盾を深めているところにあると思います。主権者である国民の意思に逆行する政治のありようは、必ず破綻します。私たちは、しっかりと足下を見据え、力を集め、一歩一歩前進したいと思います。
私は、全司法秋田支部の書記長をしていた1958年4月に、全司法の方針である職場闘争のなかで、裁判所当局から不当にも懲戒免職処分を受けました。以来、全司法の専従役員を務める中で裁判闘争を続け、裁判外の和解となり、1980年8月に職場復帰を果たしました。22年に及ぶ全司法のたたかい、国公労働者全体のたたかい、在野法曹との共同の運動により、最高裁当局を追い込んだのです。私は、職場復帰が実現した時に、全司法に生きていて本当によかったと実感しました。

これからも、未来を信じて進みたいと思います。」

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