全司法本部活動日記 (Blog)

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全法務上京団と、社会貢献活動について意見交換

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 6日、全法務の上京団のみなさんと懇談をしました。テーマは、社会貢献活動について。

 今年6月の刑法等の一部改正で、保護観察の特別遵守事項として社会貢献活動が盛り込まれることになりました。「保護観察中の人を公共の場所で奉仕させることにより、立ち直りを促す」のが制度の趣旨だとされています。

 現在、一部の庁で先行実施されていますが、2015年からは全国で実施されるということで、保護観察官をはじめとした保護観察所の組合員のみなさんの問題意識をお聞きしました。保護観察の遵守事項は裁判所が決めるので、意見交換をしたいという話が全法務からあったからです。

 まず、活動場所の確保の問題。保護観察所としても努力はしているが、現実の問題として、受け入れてくれる活動場所を確保するのが非常に困難だという実態があり、とりわけ地方では、都市部と比べてさらに厳しい状況になっているとのこと。そのように活動場所が限定されているもとで、特別遵守事項として「義務化」をするのは問題ではないか。特に、他の遵守事項は守っていて、社会貢献活動の参加だけができていない場合に、不良処分(遵守事項が守られないということで、保護観察を取り消す等の措置をとること)として良いのか。というのが、みなさんの問題意識でした。

 また、社会貢献活動が本当に更生に役立つのか(とりわけ、自主的に参加するのではなく、特別遵守事項として「義務的にさせられる」場合にも効果があるのか)という意見も出されました。

 社会参加を更生に生かすとりくみとしては、現在、家裁で行っている社会奉仕活動があります。こうした活動について、少年事件を担当する家裁調査官の中では、少年の更生のための有効なツールだと考えている人が多く、「参加した少年や保護者が、他人から喜ばれる体験をして、自信がついたり、親子で参加したことで、疎遠だった親子間で会話ができ、親子関係の修復につながったという実例がある」との意見を聞きます。私の方からは、「保護観察の特別遵守事項で定めた場合とでは前提が違うが」と述べたうえで、そうした調査官等から聞いた意見を紹介しました。

 席上、全法務から「こうした仕事に関する意見交換は、むしろ現場に近いところ(地連や支部)で行うのが望ましいので、お互いにやれる条件のあるところで具体化したい」との申し出があり、双方で具体化を検討することとしました。

 保護観察だけでなく、登記や訟務など法務省が扱っている仕事は、私たちの仕事とつながりが強く、労働組合ベースでホンネの意見交換ができたり、顔見知りになっていれば、お互いの仕事にも役立つことになると思います。結成当時に遡れば、全法務と全司法は一つの労働組合だったわけですし、以前はそうした交流もあったので、今後、できるところからやっていければ、と思っています。

(なかや)