全司法本部活動日記 (Blog)

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2016年度の中央執行委員(本部常任)です。よろしくお願いします。

7月の大会で選出された本部メンバーが着任してから約2週間、本格的に動き始めました。昨日(9月7日)は第3回の中央執行委員会を開催して、秋季年末闘争にむけた議論をすすめています。
それでは、恒例の年度初めのメンバー紹介です。7月の定期大会で出身地連が紹介文に書いてくれた言葉とともに紹介します(写真の並び順に左から)。

書記次長 田中年也 書記次長1期目(東京地裁
「東京地連専従書記長をはじめ、長く活動を行って築き上げた広い交友範囲と鋭い洞察。長年、共済組合の運審委員を務めあげた深い知識と見識。そして優しい人柄と相まって、まさに天は二物を与えたと思える人物です。確固とした意思と柔軟な対応を兼ね備えた好人物は、なかなか見つけることはできません」

副委員長 阿部賢太郎 中央執行副委員長1期目・前書記長(大分支部)
「大分支部から本部執行委員として選出され、はや4年、その前は九州地連の専従書記長として2年間選出されていましたので、専従休職としてのラストになります。このラストの1年、燃える想いで、本部副委員長の職務をこなされるでしょう。これまで全国のみなさんが見てこられた姿から、疑う余地のないところです」

委員長 中矢正晴 中央執行委員長2期目(大阪支部)
「中矢さんについては、もはや何も言う必要はないでしょう。次世代に全司法のバトンを渡せるのは、「ミスター全司法」しかありえません」

書記長 長岡文生 書記長1期目(大分支部)
「2002年から2年間、本部中央執行委員(青年協議長)として活躍されたことを筆頭に様々な職務を歴任された後、書記長の重責に立ち向かう決意をされ、邁進される姿は多くの組合員の見本といえるものです。経験、人格、共に優れた長岡さんは、本部書記長の重責を担うにふさわしい素晴らしい人材です」

青年協議長 古田愛実 中央執行委員1期目(長野支部)
「2010年の採用です。本部の専従役員として立候補することは大きな決断で、全司法という組織への信頼がないとできないものです。彼女は、青年協常任委員として全国の青年たちと話をする中で全司法への信頼を培ってきたのでしょう。これからは、本部専従・青年協議長として、全司法の活動を支えていくことになります」

いただいた過分な言葉に負けないよう奮闘していきます。 全国の仲間のみなさん、よろしくお願いします!

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2017年裁判所予算要求について

 本日最高裁は、2017(平成29)年裁判所予算要求(概算要求)を行い、その概要について明らかにしました。

 人員については、国の財政がひっ迫し、増員をとりまく厳しい情勢のもと、裁判官(判事)27人(昨年比-5)、書記官25人(昨年比-14)、事務官19人(昨年比+19)、合計71人の増員要求を行うとともに、判事補→判事23人、速記官→書記官5人の振替要求を行いました。同時に、新たな定員合理化計画への協力分として71人の定員削減(行(二)職を予定)を予定していることを明らかにしました。

 裁判官、書記官については、昨年度より要求数が少なく、職場の要求から照らせば不十分な数字と言わざるを得ませんが、定員を巡る厳しい情勢のもと、家事部門をはじめとする繁忙部署への手当や、適正迅速な裁判の実現に向けた最高裁の努力姿勢として一定評価できます。また、事務官の増員については、成年後見関係事件の適正かつ効率的な事務処理確保のための方策や、統一的な情報セキュリティーの対策などの検討・支援を行うため、最高裁に10名配置するほか、両立支援制度の利用促進、女性活躍やワークライフバランスの推進を図る観点から、育児の事情を抱えた職員を支援する職員を配置するなどし、人的態勢を確保するために活用するとして、最高裁及び各高裁管内に9名配置することとしています。

 不十分ながらも、最高裁がこうした一定の増員要求を行う背景には、衆参両院で20回目の請願採択を勝ち取った全司法大運動の成果があるものと言えます。

 しかしながら、最高裁は定員合理化計画に協力する姿勢を崩さず、昨年度同様、概算要求段階からプラスマイナス0となったことについては、大きな不満が残ります。国公労連定員削減計画の中止・撤回や大幅増員による公務・公共サービスの拡充を求め、「国民の権利と安心・安全を守る運動」を展開していくこととしていますが、全司法も定員削減計画の中止・撤回を求める立場から、国公労連への結集を更に強めていきます。

 施設案件では、職場から強い要望が出されていた名古屋地家裁半田支部及び熊本地家裁玉名支部の建て替えによる耐震化が計上されました。

 これから秋季年末闘争期のたたかいが始まりますが、満額査定を目指し地連・支部からの交渉の積み上げが求められるとともに、必要な部署に必要な人員手当を行わせるよう、「現場が主人公」となった運動の強化と職場実態を踏まえた追及の強化が求められます。
(長岡)

 

 

全司法第73回定期大会

全司法は7月24~26日に第73回定期大会を開催しました。
今大会の特徴は、次の三つにまとめられると思います。

 第一に、「憲法を巡る情勢が議論され、裁判所の労働組合として、憲法を守り活かす運動に積極的に結集することが確認された」ということです。
 7月10日の参議院選挙で自民・公明・おおさか維新などの改憲派が3分の2以上の議席をとり、衆参ともに改憲の発議に必要な議席を占めました。安倍首相はさっそく改憲に意欲を見せていますが、特に注目すべきは「自民党改憲草案をベースに」論議を進めたいとしており、この秋の臨時国会から議論に入るとしていることです。この改憲草案は、一言で言えば、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という憲法の基本原則をすべて破壊し、近代史の中で形成された「立憲主義」の概念を根底から覆す、およそ憲法とは呼べないものとなっています。これを認めるかどうかが、今の焦点です。
 一方で、日本国憲法に書かれているのは、「国は自分たちのものであって、自分たちの幸せのためにある、だから、みんなが個人として尊重され、様々な権利があって、平和に安心して生活できるようにしていこう」ということです。それは、ごく当たり前の、誰もが願っていることであり、そのための仕事をするのが公務員です。だからこそ、99条に尊重擁護義務があります。裁判所は76条以下にもとづいて設置された国の機関であり、私たちは憲法にもとづいて仕事をしています。ですから、「憲法を守ろう」と主張することは、裁判所の職員なら、自分の職業の延長として、ごく自然なことだと私は思います。
 また、私たちが全司法という労働組合を作って、活動できるのは、28条に労働基本権が定められているからです。しかし、自民党の草案には「公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、法律の定めるところにより、前項に規定する権利の全部又は一部を制限することができる」と書かれています。これは、全司法の存在に関わる問題です。
 組合員とその家族の命と暮らしを守る組織である労働組合が、こうした改憲をめぐる動きを放置するわけにはいきません。また、憲法や法律に則って仕事をする裁判所の労働組合として、憲法を守る運動に結集するのでなければ、国民から期待されている社会的責任を果たすことはできないと思います。これは、私たちが全司法という組織を設立している目的である、裁判所職員の社会的地位の向上、「国民のための裁判所」実現という根幹に関わる課題です。

 特徴の第二は「増員、昇格、異動、ITなど、要求実現のためのとりくみと今後の課題が示され、職場の中での全司法の役割が改めて確認された」ことです。
 引き続き切実な増員要求があり、人員シフトによる歪みも出ていること、人事評価制度のもとで昇格発令を勝ち取る運動が重要になっていること、調査官をはじめとした切実な異動要求が数多くあること、システム化・IT環境の整備がうまくいっていないことなど、職場で起きている問題を全司法の各支部がとりあげ、その解決のために真剣に努力している姿が、大会の発言を通じて改めて浮き彫りになりました。
 本部はこの間、「フレックスタイム制」、「ゆう活」、ストレスチェック制度、女性の活躍推進法への対応など、新たな制度が導入される際に地連・支部を通じて意見を集め、これをまとめて最高裁に提出するとりくみに力を注いできました。その結果、「フレックスタイム制」を裁判所の実態に見合ったものに変えさせ、今年の「ゆう活」は裁判所では実施しないなど、全司法が関与する形で職場のルールを作ってきています。また、年始にあったMINTASの問題や、最近のアスベスト調査などでは職場からの情報にもとづいて機敏に動くなかで、すみやかな解決を図らせてきました。こうした「職場実態を把握する力」が、全司法を「職員代表」として尊重させ、「誠実対応」を支える重要な要素になっています。
 私たち全司法が日々やっている活動は、まさにこうした活動であり、裁判所という組織にとって、なくてはならないものだということに、ぜひ自信を持っていただきたいと思いますし、そのことを、組合員の一人ひとりにまで伝えていきたいと考えています。

 そして、特徴の第三であり、最も重要な点ですが、「厳しい組織状況について認識が共有され、すべての組合員が「担い手」となって、組織強化・拡大に全力でとりくみことが確認された」大会だったということです。
 全司法はこの間、「組織強化・拡大プロジェクト」を方針として、とりくみをすすめてきました。今回の大会でも、節目節目で青年同士が集まる機会を作り、地道なとりくみが新採用職員の全員加入に結びついたこと、加入後のフォローを怠ってはならないこと、組合員参加型の活動をめざし日常的に顔の見える活動が組合員に浸透してきていること、職場で起こった問題に真摯にとりくむことで未加入者の共感にもつながり加入に結びついたことなど、各機関の真剣な努力と、そこでの教訓や成果が報告されたところです。
 しかし、一方で、組織状況、財政状況の厳しさが続いています。大会では、そのことを参加者全体の認識とし、組合員の拡大に全力をあげることが確認されました。
 展望を切り開くカギになるのは、組織強化・拡大が「一部の役員の課題」になってしまっている現状を打ち破って、組合員一人ひとりが自分の課題として考え、みんなで組合員を増やしていくための知恵と力を集めることができるかどうかにかかっています。そして、機関役員の役割は、そのための状況を作ることです。日常活動をきちんとやって、全司法に対する信頼を高め、みずからも未加入者に声をかけて、組合員一人ひとりが隣にいる未加入者に「全司法に入ろう」と自信を持って声をかける状況を作り出すことにあります。本部もできる限りの努力をしていきたいと思いますので、一緒にがんばりましょう。

中央執行委員長 中矢正晴

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大会から少し時間が経過しましたが、8地連中7地連の大会と青年協総会が終了し、本部も2016年度の活動に向けて本格的なスタートを切りましたので、このタイミングで、地連大会等で話をしてきたことの概要を掲載しました。

2016年人事院勧告

人事院は本日(8月8日)、政府と国会に対して、国家公務員の給与に関する勧告及び職員の両立支援制度にかかる勤務時間の改定に関する勧告、意見の申出ならびにそれらに関連する報告を行いました。

* 官民較差は、昨年を下回ったものの、月例給、一時金ともに3年連続でプラスとなり、俸給表の水準は708円(0.17%)の改善、一時金0.1月分の改善となっています。
* 扶養手当「見直し」については、配偶者にかかる手当を現行の1万3000円から6500円とし、子どもにかかる手当を1万円とするなどの内容を、勧告直前に示して強行しました。
* 両立支援制度については、育児・介護休業法等を改正する法律が2017年1月から施行されることを受けて、介護休暇の分割取得を可能にすることや、介護のために勤務時間の一部を勤務しないようにできる措置等が示されています。

詳しくは、国公労連のホームページをご覧ください。

【2016年人事院勧告】関連資料 - 国公労連

野波節 ~ 「沖縄慰霊の日」に ~

今日、6月23日は「沖縄慰霊の日」。さきの戦争で地上戦が行われ、住民を巻き込んだ沖縄戦の戦闘が終結してから71年の祈念の日となります。沖縄戦での戦没者は20万人とされており、それらの犠牲対して哀悼の意を表するとともに、平和を誓う日です。
全司法本部には、沖縄の伝統衣装を着た人形が大切に保管されています。
これは1964年5月に仙台で開かれた全司法婦人集会で沖縄の参加者から贈られたもので、「沖縄は日米安保体制のもとで、屈辱を強いられている、わが祖国の島です」との言葉が添えられています。戦後もアメリカに占領統治された沖縄の苦難は続き、本土復帰は沖縄住民の強い願いでした。
沖縄の本土復帰は1972年ですが、沖縄の裁判所では1957年に裁判所労働組合(裁労)が結成されます。全司法はその結成を援助し、結成以後も交流・援助を続けていました。沖縄返還闘争のなかで歌われ、今もなお歌い継がれている「沖縄を返せ」は全司法福岡高裁支部(当時)が作詞したものです。
1965年から裁労は沖縄支部として全司法にオブ加盟し、本土復帰にあわせて、全司法と統一しました。この人形は、そうした交流の歴史の中で全司法本部にやって来た「平和と独立の使節」です。
本土復帰から44年が経過していますが、日米安全保障条約に基づく在日米軍基地の約75%が日本の国土のわずか0.6%の沖縄に集中しており、米軍基地が存在するが故の被害が今もなお続いています。
6月19日に沖縄で開催された米軍属女性暴行殺人事件に抗議する県民集会には6万5000人が集まり、日米両政府に米軍基地の整理縮小、海兵隊の撤退などを求めました。「沖縄を返せ」はまさに、今、現在の課題だと思います。
沖縄のすべての被害者に哀悼の意を表するとともに、引き続き、基地のない平和な沖縄を実現するとりくみに結集していきたいと思います。

慰霊の日に、沖縄への連帯と平和への思いを込めて

(中矢)

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